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金沢にて

先日、私としては珍しく?久しぶりに?遠出してきました。
行き先は石川県金沢市。

後輩というか友人の結婚式にお呼ばれして向かいました。
あいにくの雨でしたが、数年ぶりに久しぶりの友人に再会。
相方のマカオ行きに一緒に行った“マツ”です。

さておき、私は石川県に関しては福井からちょっと石川に入った?というエリアまでしか行ったことがなく、
手話歌や言語考察にはまり込んでからは初めてです。

手話を勉強している方なら「石」という手話に何通りかの表現があることをご存知かと思います。
「石川(県)」では「石」を顎にぶつける表現は高齢の方には嫌がられるそう。
「石川県」を表す手話にはその表現は使わないのですが「石」と単独で使う場合はこの表現もあります。

私はそもそも、「石」を漢字表記だという説明は後付だと思っています。
何故ならば「石」を漢字で表現するというのは「川」を水の流れではなく“川”と漢字で表現するのと同じなのです。
そして、多くの場合“川遊び”などの表現では“水”の表現を使います。
身近にある“ただの石ころ”をわざわざ漢字に変えて表現するのは考えにくい。

見たまんま、の表現であるでしょう。
これは高齢の方に説明らしきものを受けた時どう表現したかを思い出しました。
たいてい子供の頃に石というものは拾い、握り、投げる、置くというような行動にあったと思います。
それを考えると野球のボールで一人で遊ぶ時の左手のグローブにボールを投げる…そんな動きがあっただろうと思います。
コブシで左手に投げつけるように当てるという仕草で石を表したと思われます。
これで石の硬さを感じることも出来ますね。
逆に「鉄」という手話は左手は石と同じくするのに対し、右手は二本指で爪先を手のひらにぶつける仕草をします。
これは鉄というものがあまりにも硬く、すこし叩くだけでも甲高い感じの音がするからではないでしょうか。
石材、木材と比べ、鉄材は軽く叩くことによって硬さを確かめます。
ろう者の場合は音で判断はしないと思いますが叩いた時の感触で薄いか厚いか、硬いか柔らかいかはわかります。
アルミだって硬いものは硬いのですが鋼鉄などと比べれば柔らかく、それは叩くことでわかるものでもあります。
最初に硬いものの代表として石があり転じて鉄という手話が生まれたのでは?と私は予想します。

とはいうのも、昔の手話の本では「〇〇はこう表現する」とだけあって、何故その表現かという説明があまりありませんでした。
日常会話などにおいては「語源」を知らなくても会話は成立するので問題となりませんが、
他言語使用者に「何故か?」と問われると説明に困るものが結構あります。

また、石川県と言えば2/3が能登半島。
昔は喉仏の辺りを指差し「能登」と表したそうですが、これは「喉(ノド)」と「能登(ノト)」が似ているということで
いわば手話ダジャレのような感じで使われていたのでしょう。

金沢は旧国名が『加賀』でした。
この辺りは旧国名が結構多く入り組んでいます。
東北をみちのくというように旧国名が残っている場合…これに関する手話はどこまで残っているのかを尋ねましたが
残念ながらあまり詳細な記録はないようです。

大阪でも旧国名は河内・和泉・摂津の三国。
ろう協のブロック分けで「北摂・京阪・河内・泉州・市(大阪市)」と5ブロックに分かれています。
この中に旧国名3つは「北摂(北+摂津)」、「河内」、「泉州(和泉+州)」と残っていますので
まだ何とか表現できなくもありません。
お隣の兵庫だと「五国」です。(丹波、播磨、淡路、但馬、摂津)
四国のようにほぼ旧国がそのまま県になったような場所もありますし、
手話の出来方といいますか伝わり方がどこまで残っているか…非常に気になります。

とは言うのも、民謡や演歌などでは「地名がそこかしこに出てくる」例が多く、
「南国土佐を後にして/ペギー葉山」では土佐、播磨屋橋、桂浜と名所の名前が…。
「リンゴ追分」ですと「お岩木山」など…。

私も好きな「津軽海峡・冬景色」では「龍飛崎」

ごらんあれが龍飛崎 北のはずれと
見知らぬ人が指をさす


見事に地名が出ています。
これは「リンゴ追分」の歌作りのときに、ちゃっかり私の個人的依頼で教えていただきました。

私が民謡や演歌(ご当地モノ)を作る時、そういうその地域の伝統手話を入れておくと
歌い継がれる限り、手話も残ります。

そのやり方を使ったのが全国ろうあ者大会・京都でした。
京都の地名が山ほど入った歌を見事に手話歌として残っております。
これを見て、私はご当地手話を積極的に取り入れて作ることによって
伝統の手話を残していくちょっとした力になれるのではないかと思っております。

ただ、八重山の手話・沖縄の手話の時は、手話指導のろう者が少なく、
NHKの手話講座を利用して勉強をしている方も多く、
ご当地手話に明るい人には出会えませんでした。

こういう例もありますので、出来る限り急いでご当地ソングを通して伝統手話を知りたいなと思うのです。
ろう者が音楽が好きだとか民謡に強いというのは本当に限られたケースと思いますので
手話歌制作者として頑張って拾っていきたいなと思いました。

今回の金沢行きでは埼玉、山形、石川と知り合いが増えましたので
北信越の場合も攻めていければと改めて思いました。

九州は福岡、筑紫地方では確か炭坑節という民謡が。
頂けたチャンスは必ず生かして頑張りたいですね。


 

nightfox-hq | comments(0) | - | pookmark | category:言語考
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