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手話歌制作の秘密

手話歌制作をする秘訣はなにか?と尋ねられる。
非常に難しい質問だと思う。

この質問に対し自分がどういう思考回路を持ち、その源はなにか?
それをちょっと振り返ってみた。

私の癖の一つは「活字病」
ありとあらゆる活字に敏感に反応する。
電車の吊り広告や街角のポスターでさえ気づけば目で追いかけている。
また、基本的にあらゆる分野の本を読む。

一番の好みはSF(サイエンスフィクション)
これはいわば科学理論を下敷きに物語を展開する。
剣と魔法のファンタジーも良いのだが、科学を下敷きにしているものは
しっかりとした“根拠”を軸に持っている。

言葉の有り様を考えるという意味では、
古典、漢文、文学作品なども非常に重要。

そして、「映画」
映画というものの中で、ヒューマン・ドラマや小説と同じくSF、
これに加えて実話ベースのドラマなどはよく見る。
ミリタリー映画も非常によく見る。

最近の映像技術は素晴らしく、本当は映像として再現していて
実際には起きていなくても、起きてると錯覚してもおかしくないほどのリアリティ。

手話歌の歌詞は国語能力が問われ、
手話歌の表現力はイメージ力が問われる。

従って、例えばVRのような仮想現実や
ARのような拡張現実に没頭できない限り
最大限の効果は生まない。

物事にはルールがある。
仮に火を起こすとする。
火口を作り、種火にし、順番に燃料となる木を太くしていく。
そのイメージがないと火は起こせない。

季節の風景や情景は観察力がモノを言う。
ある時、私はちょっとした低い山に上り、誰も居ない山頂で
座禅を組み、瞑想をした。

山の中に響く音は私には聴こえないはず。
だが、自分の周りの空間…気配が変わるのを感じる。

木々は何故木々たり得るか?
答えは目の前にある。

公園で一人静かに座っていると様々な人達の表情が見える。

砂浜に腰を下ろし波打ち際を眺めていると同じ動きは一つして無い。
桜の散るころであれば、同じ散り方は無い。
だが、事象のルールに従った振る舞いをする。

その色々を瞼閉じれば浮かび上がる。
そのストックが多ければ多いほどその歌その言葉に対する
表現のベストを見つけられる。

ミリタリーや消防、などであれば仲間意識の非常な強さを描いている。
ある韓国映画で「高地戦」という映画があった。
無意味な戦いを、政治に翻弄される映画では名前があっても
史実では無名の兵士たちの極限の想いが見える。

ベトナム戦争関係の映画が非常に好きなのだが、
現代戦であれば「ブラックホーク・ダウン」などが好きだ。
もちろん、涙が出るが。
極限状態で人は何を思うのか?
何としてでも生き残ろうとする思い、
自己犠牲を払ってでも仲間のために行動する思い
戦争映画などは人がたくさん死ぬので苦手だという方も多かろう。
だが、そういった映画ほど一人ひとりの物語が複雑に絡み合う。
決して娯楽映画とは言えないものほど、観客に訴えかけるものは大きい。

マフィア映画で有名な「ゴッドファーザー」も好きな作品。

スカッとしたいなら、笑い転げたいなら別の映画を選ぶ。
だが、考えさせられる映画ほどイメージの足しには非常に大きい。

ハッピーエンドと言えるかどうか?な結末を迎える映画は
主人公やヒロインは助かっても重要な脇役は亡くなってたりする。

私が手話表現にどこかアドバンテージを持っているのは恐らく…
今までの人生の修羅場をくぐっていたり、
小説や映画の世界に没頭してしまっているからかも知れない。

綺麗事はありえない。
これは絶対にそう思っている。
だからこそ理想を求めるのではないかな?人間って。

現実はこうと知りながらその理想のために動ける人間の想いは非常に強い。
そう考えるとメルヘン(理想主義)とリアリズム(現実主義)
どちらにも持っていけることが演技力であり、
手話歌を“演じる”ということであろうと思う。

裏切られた経験のある方は裏切られたことを思い出すと強い演技になる。
大切な人を亡くした方はそのことを思い出すと強い思いが演技に乗る。

他人の経験を我が事のように同化できるならば、それはイメージ力が強い。

外面だけで表現するとどうしてもその表現は薄っぺらになる。
内面から湧き上がる感情や心情を歌えて初めて相手を引き込む演技になる。

たまに、歌っているときに自分が自分でなくなったように感じる時がある。
それが出せたときほどお客様に届いたものは大きいのだろう。

日々忙しくしている人や、映画や小説、或いは日々の生活で観察したりなどをしない方は
いざというときになりきれない。

私の手話歌の制作の秘密はきっと自分が自分でなくなるほどの没入感が出たときに生まれるのであろう。

 

nightfox-hq | comments(0) | - | pookmark | category:手話歌考
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