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聴覚障害者の言語取得について【その1】

先日、聴覚障害児者の言語取得に関しての興味深い質問があった。
ここに順を追って私の見聞きしたこと、経験などを踏まえて記載していきたいと思う。
長くなるので分けて書いていきます。

さて、歴史を紐解くと聴覚障害者という存在は最近になって出てきた存在ではない。
かつては古い文献にも聴覚障害者に関する記載があったということで
今までと変わらない割合で聴覚障害者が居たことは議論の余地も無いであろう。
初期段階では職業が農業など一次産業がメインだったと思われるため、
コミュニケーションの始まりはホームサイン(その当事者と関係者のみで通じる“規則を持った”身振り)から
いわゆる“職人”などの間で使われるワークサインという限定された表現によっての意思疎通を図ったと思われます。

このホームサインに関しては、私の場合は手話という存在に出会うのが遅かったため、
家族間での意思疎通は基本“口話(読心術)”をメインにし、読み取りがズレたときなどに“指文字”というサポート程度でありました。

「ご飯」、「飲み物」、「テレビ」、「電気」などは今の手話にかなり似ていることが当時からでありました。

ワークサインに関しては私の家庭の方針にて、「高校入学と同時にバイトしろ。」でありましたので、
寿司屋や庭師、左官などと仕事を経験している中で、健聴者同士でも使っている身振りを見て覚えてきたものです。

結構長い関わりを持たせていただいた道路工事(水道管)に関する仕事では、
同じガテン系でも土木・ガス・電気・水道と多岐にわたりそれぞれの専門があるのですが
共通項はほとんどが同じサインを使っております。

例を挙げると親指と小指にて「大きさ」、「量」などを使い分けます。
例えば親指を出し下に招き猫みたいに動かすと大きく下へおろしていく、
停止は「グー」にする。
微調整のときなどに小指出して招き猫みたいに。そうするとじわじわと下ろしていくことに。

これがクレーンの世界でも同じようで、同じ動かし方のサインがあります。

また、駐車場係などが指示する動きには店舗などではバラバラですけども、
土木系をやっていた方だと私にとっては見慣れたサインを出してきます。
私が大型車両を運転している時に見かけたサインとほぼ同じでした。

このように、業種によって“規則性のある”サインというのは違いはあれど
たいてい似通っております。

恐らく、農業や漁業を生業にしている方はそれに関するサインの語彙が多かろうと思われます。
実際に「漁業」をやられているろう者の方にお会いしましたが、魚の種類など非常に多くの語彙をお持ちでした。

ここまでは大人の方であればそれなりに健聴者・ろう者の区別なしに使っている部分ではあります。

子供であればどうでしょうか?

私の場合は5歳頃に重度の聴覚障害になりつつある状態であったので
それまでの「言葉の存在」を知っておりましたし、
「音というものがある」ということも知っておりました。

幼児期における言語取得という面では「発声訓練」と「聴能訓練」の2つがメインになり、
日本語取得に困難を伴うことを体感したのは小学生時代でしょうか。

地元校にて通っていましたが、だんだん国語的に難しくなってくると
それに関する説明…理解がしんどくなってきます。

ただ、幼い頃から本好きであったためか、
日本語語彙に関してはどんどん取得していたように思います。
ただ、精神年齢は同年代よりも幼い感じが今振り返ると思います。

また、中学生になろうかというあたりになると、
数学的な説明など何がなんやらわからなくなってきます。

公式の説明などはその最たるもので、「何故にこの公式で解を導けるのか」の説明が理解できない…
もちろん日本語で説明していただいているのだが、「言いたいことはわかるが何故そうなるのかがわからない」という
しかも「何がどうわからないのかを説明する語彙を持っていない」という弱点も出てきます。

只今、相方がデフファミリー育ちで生まれつきのろう者であるため
日本語の基礎は何とか持っていても、微妙な違和感を抱く発言をする時がありました。

手話で話す分には問題はないのですが、日本語化すると何かがおかしい。

その微妙さは言いたい意味は理解できるが、日本語にすると微妙にそんな言い方は普通しないと感じてしまうような。
日本語を覚えたての外人さんの文章に似ているかも知れません。

まぁ彼女は顔が外人っぽいせいもあってか、相手が勝手に身振りを交えての説明であったりとするため
初めてお会いする方でもすんなりと溶け込む凄さがありますが(笑)

思い出すのは初めて会った時期のお祭りの屋台でしょうか。
お店の人が焦って身振りとカタコト英語で話し、通じてないと感じてスペイン語に切り替わった時
私、失礼ながら後ろで見てて吹きました(笑)

「聴こえないことをどうしよう」ではなく「通じない、どうしよう」という対応であったことですね。
ここ、多分大事な部分です。

 

nightfox-hq | comments(0) | - | pookmark | category:聴覚障害関連
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